【R18 ハイキュー!!】幼なじみ 及川徹との場合
第1章 近すぎて遠い存在
「はい、これ」
「お……なに、ついにおまえも俺の惚れちゃったってやつ? なんだよ、だったらそんな手紙なんて面倒くさいことしないで直接言ってくれればいいじゃん」
「……」
両方の手のひらを天に向けるそのかっこつけたポーズ、やめて。
その「どの女も自分に惚れて当然」な顔も!
「違~う! 白鳥沢の子に頼まれたの!」
ピンクの封筒を透の着てるジャージのポケットにねじ入れる。
昨日の放課後、駅前のスタバにいたら、いきなり白鳥沢学園の制服着た女の子3人組に話しかけられた。
『青葉城西の及川さんのお友達……ですよね!?』
小学校のときからずっとそう。
いろんな子に透宛ての手紙を押し付けられたり、気持ちを訊いてと頼まれたり。
「メアドとか教えてって言われたけど、それは拒否っといたから」
「サンキュ」
小学校1年の時に私が徹の家の隣に引っ越してきてからの腐れ縁的な幼なじみ。
徹と私の関係がわかると、蜜に群がる蜂みたいに徹への中継ぎを頼まれる。
羨望とともに。
嫉妬とともに。
だから、高校入ってからはなるべく一緒にいないようにしてるのに、たまに無理やり見に行かされる練習試合なんかで目ざとく見てる子が結構いる。
この女、及川さんと仲いいみたい。
そうわかると、すぐにいろんな子に話しかけられる。
値踏みの視線を受けながら……
「……へえ、白鳥沢の1年だって、この子」
それ、さっき言ったし、私。
「てか、もう読んでんの」
「白鳥沢ってのがビミョーだよな」
「なんで」
「俺、嫌いなんだよね、あそこ」
「それは単に自分がずっと白鳥沢に負け続けてるだけじゃん」
「はっきり言ってくれるねぇ~」
徹が唯一勝てない相手。
それが白鳥沢……というか、牛島若利。
「どんな子だった?」
「別に……可愛い子だったと思うけど……」
「エロい感じ?」
「……じゃなかったとは思う」
「なんだ……烏野のマネみたいなエロさがある子がいいんだけどなぁ……」
烏野のマネ。
よく聞く名称。
なんでも口元にほくろがあって、綺麗でエロいって……
「結局男ってエロいのがいいんだね」