第6章 運命の深い渦
露天風呂でのおふざけは切り上げて、
俺たちは、部屋に戻ってきた。
ベッドで寝転がり、スマホを弄りながら、
「ねえ、翔ちゃん~?
今回のさ、旅行の話してたとき、
松潤、怖い顔してたよね...」
急にそんなことを言い出すから、俺は、
『何のこと?』という顔をして、
彼を見た。
すると、今度は俺の方に身体を向けて、
「翔ちゃんってさ、こーいうことには、
凄いニブイよね~..」
........
ってさ......
松潤が、まだ俺のことを...とでも言うの?
黙って彼を見ている俺に、
雅紀はいよいよベッドに胡座をかいて続けた。
「松潤だって、翔ちゃんを忘れようって、
必死だったじゃない...
ジムに通ってたのだってそうだし、
他のことに、夢中で打ち込むことで、
翔ちゃんを吹っ切ろうとしてるんだよ...」
「そんなのさ、もう前のことでしょ?」
俺は、
彼の言葉に、
頭の奥がキーンと鳴った気がした。
「分かってるんでしょ?ニノだって...
まだ、吹っ切れてなんか、ないよ...
リーダーもさ...」
「雅紀!!」
......俺は、饒舌になる彼の口を、
自分の唇で強引に防いだ...。