第6章 運命の深い渦
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まったく....
君には負けるよ...
すっかり戦意を削がれた俺は、
彼と並んで檜の湯舟から、
前の谷川の緑を眺めていた。
なんかさ。
彼といると、
心の奥が、じんわりと温かくなって...
癒されるって、
こんな感じなんだ、って...
しみじみ、思うんだよね~。
俺がせっかく、
心洗われてるのに、
「ここならさ、お隣とすごーい離れてるから、
声とかも、聞こえなくていいよね~♪」
「こっ、声?」
「ほら、こうやって話してる声とか!!
あれっ~?翔ちゃん、今、やらしいこと、
考えちゃったでしょ?」
「はあ??ちげーわ!
頭ん中、そんなことでいっぱいなの!
雅紀の方だろ~?」
....そんな、ムキになることでもない...
まあ、実際のところ、
そっちの声...想像したのは、
事実だし...。
今は、雅紀のこと言えないくらいに、
『ヤラシイコト』で、
頭ん中、いっぱいだし....
俺は、風呂の縁に頭をのせ、
目を閉じる彼の、
無防備な唇に、
ゆっくり口づけた。
もちろん、
いいってこと、
だよね....まさき♪