第30章 蜩〜ひぐらし〜
【智side】
翔ちゃんと結婚して、
翔ちゃんの奥さんになってから、
俺はできるだけ
仕事をセーブしてもらうようにしてきた。
もちろんそれは、他のメンバーにも
了承済みだ。
そんなに器用な方じゃないから、
愛しの翔ちゃんと違って
たくさんのことを一度に出来ない。
それにそんなに仕事人間って訳でもない。
こんなに仕事させてもらえるようになっといて、贅沢なのは分かってるけど。
ゆっくりのんびりじっくり……
自分のペースで、
自分の気持ちが向くものを、
自分で納得してやりたいんだ。
だから、仕事を減らして
その時間をそっちに回す…
翔ちゃんは最初、
『家のことは二人でやればいいから』と。
『智にやってもらうつもりで結婚した訳じゃないよ』
そう言ったけど…
俺が、そうしたいんだ。
自分の意見を通したいと言い張る俺に、翔ちゃんも最後には、
『智は頑固だな…』
と折れてくれた。
勿論やるべき事はやるよ〜(^^;
コンサートの打ち合わせも、リハも、
松潤に振り付けを頼まれれば、ちゃんとやるし…
勿論、レギュラー番組も、
嵐として、与えられたことはきっちり頑張る。
まあ、何より、
現場には翔ちゃんがいるからね♥️
安心して自分を出すことができるし、
謂わば俺の『ホーム』だから。
気負うことなく自然体に近い形で『そこにいる』ことができるから。
そんな中……
久々に映画の仕事が入った。