第6章 運命の深い渦
文字通り。
男同士でもそう言う言葉を使うのだろうか?
『一線を越えてしまった』俺と雅紀のこと、
他のメンバーは、
潤やニノはどう思うんだろう...。
今更、後ろめたいとか、
そんなんじゃないけど、
どこかで、
罪の意識なのか、
メンバーに会うのが、
少しだけ、躊躇われた。
雅紀とのベッドの中で朝を迎えた日、
彼は、またこうして会ってもいいのか、と、
遠慮がちに俺に聞いてきた。
胸にあった、いろんな思いは、隠して、俺は笑顔で、
「もちろんだよ。雅紀が、
俺を必要としてくれてる時は、いつでも♪」
と言った。
彼は、安堵したように笑って、
「松潤とニノに悪いかなって、思うんだけど、
翔ちゃんといると、安心するんだ…
甘えちゃって、ごめんね…」
雅紀のその言葉に、
一瞬、胸の奥がチクリと痛んだけど、
それには、目を背けて、
俺は、彼の細い背中を抱き寄せた。
そして、その肩口に残った、昨夜の朱い花を、指で静かになぞった。