第28章 Blue in Blue....
智の目がキラキラ潤むから、
俺は何て言っていいか分かんなくなって、
「何だよ~...急に、改まってさ...」
そう言いながら海を見るふりして、
目を反らせた...
だってさ、
俺も泣いちゃいそうだったから...
胸に智の気持ちが、痛いほど響いて、
...ほんとにもう、
ヤバいくらいに感動してて...
いつの間にか、走っていった3人は、
キャッキャと騒ぎながら、
波打ち際で水を蹴飛ばしあっている...
「座ろっか...」
俺は智と並んで白い砂の上に腰を下ろした。
「あ~あ...アイツらびしょぬれじゃん...」
智が目を細めて、彼らを見ている。
「智...」
目線を遠く波打ち際の3人に向けている彼に、
俺も同じように彼らを見ながら、
静かに言った。
「何があっても、ずっと、一緒にいような...
嵐がこの先、どんなふうになっても、
智...お前と、一緒に歩いて行きたい...
さっき、一緒に砂浜歩いたみたいにさ、
手を繋いで、同じ歩幅で...
何があっても、お前のことだけは、
離さないからさ...」
...智は3人を見たまま、スン、と鼻を啜った。
俺は、指を解いて、彼の肩を抱き寄せた。
......
「智...こっち向いて...」
.........
ゆっくり俺を見た彼は、
涙でぐちゃぐちゃの顔をしていた。
俺は、彼の頬に手を伸ばし、
涙を親指の腹で拭った。
「...好きだよ...智...」
「...俺も!...俺だって、好きだよ..」
見つめ合う智の目に、俺が映っていた。
きっと、その中の俺の目にも、
智が映ってる...残念ながら、
それは、見えないけどね....
そしてきっと、その智の目にも、
俺が映ってるんだ.....