第28章 Blue in Blue....
【翔side】
機材のトラブルで、しばらく
撮影できなくなったと、
平謝りのディレクター。
2時間近く、時間が出来た。
「どうします~?ホテルに戻りますか?」
マネージャーが聞いてきたけど、
ホテルまで往復で1時間以上かかるし、
すぐ戻ってくることになりそうだ。
だったら...
「ビーチでのんびりしててもいいの?」
「もちろんです!貸し切りで、
ファンの人もいませんし...
このビーチの海開きは4月に入ってなので...
泳ぐには少し寒いかと...」
心配そうに言うマネージャー。
そんな顔しなくたって、
もともと海水パンツ持ってきてないし...
「じゃあ、俺たち、
少し先まで行ってみるから、
再開できそうになったら、
電話ちょうだいよ」
そして俺たちは、白い砂浜を歩きだした。
「どっか、みんなでお昼寝するとこ
探そうか~?」
...智くん...君はいつも、それだね(^-^;
「えーっ、勿体ないよぉ...
こんないい天気なのに~///」
相葉くんらしい発言に、
「なんかさぁ...15周年の、ハワイの海、
思い出すよね...」
ニノが、遠くを見るような目をして言った。
「あの時、リーダー、すげー泣いてたね」
松潤の言葉に、みんなが黙った。
......それぞれの心の中に、
ハワイの『あの時』が甦る。
『何で涙が出るのか、分からない』
そう言って泣いた智...
カメラの前で、『なんだかよくわかんない』
そう言ってぽろぽろと大粒の涙を零した智...
みんながみんな、
急に押し黙って、白い砂浜を歩いていた。