第5章 キミの笑顔が見たいから
長く甘く、
激しいキスの後、
俺は、さっき持ってきておいた
ローションを取り出した。
「何?それ...」
初めて見るんだろう、
素朴な疑問を口にする彼に、
「..えっと、..挿れるとき、痛くないように...
...ほら、すべりを...良くする..みたいな」
.......自分で言ってて、
赤面する...恥ずかしいでしょ////
耳まで真っ赤になった俺に、
「あ~.....」
さすがの雅紀も、分かったらしく、
赤くなる....。
でも、その視線は、
ローションの中身に移り....
.......そう。
中身は半分くらい...。
もう、開封済み...。
その意味するところ。
雅紀は、その容器に、
ニノの影を見ていたんだ。
それを、
ここで、
ニノと使った。
それは、紛れもない事実な訳で....。
彼の視線に、
言葉を探す俺に、
「...ごめん、やっぱ、分かってるけど、
ニノに、すげー嫉妬しちゃった。」
そう言って笑った彼の顔が、
俺の胸に刺さる。
相変わらず、掛ける言葉を見失ったまま、
彼の身体を強く、
強く抱き締めた。