第27章 愛しき日々よ
「.......帰る?...」
「.....うん..そーする..」
その後、カラオケをする気には、
当然ならず、
俺たちは、家に帰ることにした。
翔ちゃんの車で来ていたので、
ふたりでいそいそと車に乗り込んだ。
....早くふたりだけに、
なりたかったんだ....
「ちょっと、遠回りしてくか?」
翔ちゃんの提案に、
俺が異議がある訳もなく。
翔ちゃんが、俺を連れてったのは、
ヨットやクルーザーが、
整然と並んだ、東京湾マリーナ。
深夜なので、人気はない。
これが、後数時間もすると、
早朝の釣りに出掛ける人が、
準備万端やってくるのだろう。
今はただ、ブルーのライトが、
幻想的にマリーナを彩っていた。
「ここ、懐かしいね...」
「テレビの仕事で来たよな~..
あの時はまだ、智の趣味は、
釣りじゃなかった...」
「俺たちも、付き合ってなかった...
まあ、俺は、好きだったけどね♪
翔ちゃんのこと..」
すると、翔ちゃんは前を見てた顔を、
俺に向け、
「ハハハ...ゆえやぁ~//」
と、笑った。
......言えるわけないじゃん('ε'*)
そんなこと、
怖くってさ....
俺も、翔ちゃんを見た。
キラキラの瞳が、
マリーナのブルーを映してて、
吸い込まれそうに、綺麗だった。
「.....翔ちゃん...」
「...智....」
翔ちゃんの瞳のブルーに引き寄せられて、
俺たちは唇を重ねた。
健くんの前でしたのよりも、
もっと熱くて、
濃厚なヤツを....♪