第25章 新しい生活が始まる
【 智side 】
予定通り、新しいマンションに、
俺が先に荷物を入れた。
広すぎて、
逆にどこに物を置いたらいいか、
分かんないよ...(^^;
翔ちゃんがアトリエにすればいい、
って言ってくれた部屋に、
取り合えず画材を入れてみた。
部屋の中央に、
イーゼルを立ててみる。
........
なんか落ち着かないな...
まあ、でも、
これからだから...
これからここを、
俺の城にしていけばいいんだ。
翔ちゃんと一緒に、
この場所で、
ここから、始めていく。
なんか、不思議な感じがした。
一緒に居られることが、じゃない。
こうやって、俺たちが、
大っぴらには出来ないにしろ、
まあ、胸を張って...
言い方は変だけど、
新しい生活をスタートさせること、
それがイコール俺と翔ちゃんの恋愛を
認めてもらったことにもなる訳で。
そんな日が、ホントに来るなんて。
いつになく感慨に浸りながら、
マネージャーと一緒に、
荷物を解いていると、
携帯が鳴った。
「もしもし..?
えっ?うそだろ?...ホントに??
...うん..分かった...」
電話の相手は、
母ちゃんだった。
今からここに来るって...
マネージャーに近くまで
迎えに行ってもらった。
『何でだよ?...何で急に...?』
前のマンションにだって、
殆ど来たことなんかなかった。
何か用があれば、実家に来いって、
連絡が来たけど...
......そこに、風呂敷包みを持った、
母ちゃんが来た。