第24章 On Special Day !!
【 智side 】
スキー旅行のあと、
二晩を過ごした翔ちゃんのマンションから、
3日振りに戻ってきた。
「ただいま...」
誰もいない部屋に、
そう言ってみても、
帰ってくるものはなく、
静寂の闇と
ひんやりとした空気が漂ってるだけ。
当たり前だけど、
胸がきゅっと、締め付けられるほど、
寂しい...
明かりのついていない、
誰も迎えてくれない、
迎えることもない部屋に、
何の感情もわかず、
それが当然と思っていたのに...
一度知ってしまった温かさは、
俺をこんなにも、
欲張りにしていた。
「....松潤かよ..」
静かに部屋に、ひとりそう笑ってみても、
余計に虚しくなった。
俺は、誕生日の房総で、
翔ちゃんが撮ってくれたDVDを入れて、
再生を押した。
離れて暮らすことになり、
淋しいときは観ればいい、って、
翔ちゃんがくれたんだ。
ベッドにダイブしてはじゃぐ相葉ちゃん。
それを横で笑っているニノ、
露天風呂でくつろぐ松潤、
翔ちゃんのカメラが、
風呂の中を捉えると、
脚の付け根に、大きな丸に『秘』の文字。
「もー...松潤、キャラ違くね?」
1人で笑ってみたら、
なんだかもっと切なくなって、
俺って、
こんなだったのかな?
って、自分で呆れた。
......でも...
翔ちゃんと一緒にいたい。
彼が側にいる安心感の中で、
満たされていたい。
DVDの中の翔ちゃんは、
最高に可愛い顔で笑っていて、
俺の胸は、締め付けられた...