第24章 On Special Day !!
【 翔side 】
「今日はさ、このまま俺んちに帰ろう」
1泊2日のスキー旅行の帰り、
俺は智を誘った。
自分の家に呼ぶのは、ちょっと久しぶりだった。
「えっ...でも...」
智が戸惑う理由はひとつだ。
事務所から同棲を止められてるから。
普段の俺なら、
そこは守るところだろうけど...
今日は、何となく、
このまま離れたくなくて....
どうしても、一緒にいたいから...
智と一緒に帰りかかったんだ。
「いいから...」
そう言って彼の荷物を持つと、智は、
「大丈夫だよ...
翔ちゃんの方が荷物多いじゃん...」
と、笑いながら俺の後を着いてきた。
俺の友達の中に、初めて智を連れて行った。
プライベートと仕事を
きっちりと分けていた俺にとって、
大学の友達との時間の中に、
彼を入れることは、
ちょっと意味のあることだったんだ。
智は、仕事じゃ、ないから。
そして、仲間の中に溶け込み、
いつものような笑顔を見せていた君に、
俺は、自分の思いに改めて気付いた。
『大野智と、ずっと一緒にいたい』
一度は将来を考えた女性の存在と、
その幸せそうな今の顔が、
俺の中で、燻ぶっていた感情に、
はっきりとした決着をくれた。
昔の彼女の幸せを、心の底から願う自分...
幸せにすることができなかったからこそ、
本当に幸せになって欲しいと、
そう祈る気持ち...
そして、
俺自身も、幸せになりたい、
そう強く思った。
隣にいる、
この人と...
そんな思いに気付いたこの旅の終わり..
離れるなんて、考えられなかったんだ...