第5章 キミの笑顔が見たいから
いつも元気なのが売りみたいになってる、彼。
明るくて、俺たちの中でもムードメーカー的な立ち位置だ。
でも、そんな見た目とは違って、
相葉くんは、身体が弱いところがあった。
少しキツくても、
頑張り過ぎてしまい、
結果、身体を壊すこともあった。
この日も、夕べから微熱があったのに、
無理して仕事に来たせいで、
午後にはいよいよダウン....。
熱が38度を越え、
心なしか呼吸も荒い。
「ほら、相葉くん、病院行くよ。」
「でも、まだ....」
この期に及んで、往生際が悪いって。
ニノも心配そうに言う。
「後は、あなたいなくても、全然大丈夫だから」
彼流の、優しさ。
相葉くん、諦めたように笑って、
「ひでーな、それ...」
と言いながらも、マネージャーに付き添われて、
病院に向かった。
相葉くんがいなくても出来るところをこなし、
仕事が終わったのは、7時過ぎだった。
「相葉ちゃん、どうしたかな...」
心配そうな智くんに、
さっき、休憩の時に、マネージャーに連絡して、
彼が点滴をして、今は眠っていることを伝えた。
「俺、この後、行ってみるわ。」
「そう...。
翔くんが行ってくれれば、安心だね。」
智くんのひとことで、俺たちはそれぞれに
帰り支度を始めた。