第4章 最後の言葉
静かな室内。
外の雨の音だけが、
怖いくらいの静寂に、唯一の音を奏でる。
「今まで、ありがとう。
ニノが救ってくれなかったら、
俺、今頃どうにかなってた....」
ニノの優しさに、甘えてて、
もう解放してあげなきゃいけなかったのに。
いつまでも、付き合わせちゃって、
ニノの自由を奪ってた。
彼女と、この先どうするのか...
それはもう、俺がとやかく聞くことでもないから。
「ニノは、ニノの好きなように生きなきゃ。
俺が、足枷になるなんて、
そんなの、ダメだって、
ずっと前から、分かってたことなのにね。」
俺の話を、何も言わず、黙って聞いていたニノ..。
「ニノが、居てくれたから、
俺が俺で居られた。
感謝してるよ。
言葉では言えないくらい....」
俺は、話しているうちに、鼻の奥がツンとした。
でも、
ここで泣いたら、また、
ニノの手を掴んでしまうんじゃないかって、
そう思ったから、
俺は精一杯、笑った。