第4章 最後の言葉
ニノにはきっと分かっていた。
でも、この場で、潤のことをニノに報告することは、
どうしても、できなかったんだ....。
そんなことがあって、の、
本日2度目のコンサートが始まった。
流石だよ、潤...。
いつもの笑顔で、ファンの歓声に応える。
堂々としていて、キラキラのオーラを纏って。
まさに、スターの貫禄は充分だった。
いつの間に、そんなに大人になったんだ。
可愛くて、俺の後ろをくっついていた、
守ってあげたくなる少年の姿は、
もう、
どこにもなかった。
そんな彼の姿は眩しくて、
遠いところに行ってしまったのは、
寧ろ彼の方なんじゃないかと、
そう思えた。
会場に来てくれたお客さんを、
きっちり満足させて、帰ってもらう。
俺たち嵐のコンサートの、
最大で、最高の目標。
そんなコンサートのアンコール。
俺たちは、ファンが、
メンバー同士のイチャイチャを、
異常に喜ぶことを、分かっていた。
だから、
わざと、スキンシップや
仲良しぶりを見せつけた。