第15章 おいでよ、愛しい人…
膨れる彼の横顔に、わざと、
「ごめんね~嫌だったんだよね~?
もうしないから...」
そう言ってやる。
...少し大袈裟すぎるくらいに。
「...別に...そんな、さ、
いや...ってわけでも...さ..」
おやおや、もう、白旗上げて、
認めちゃうんだね?
...自分のMっ気を。
そんな顔が、またしても俺のSっ気、
煽るんだよね~(*^-^*)
「もう、意地悪なことしないし、
言わないよ...智が、
嫌だったのに、ごめんよ~」
「......だから、嫌、じゃない...
から...しても、いいよ...」
...兄さん。耳まで真っ赤よ?
そして、私はドMなので、
これからも、言葉や態度で、虐めてください。
って...そう言ったようなものだから。
まあ、これ以上は、可哀想だから、
止めときますか?
...ほら、俺だって、
根っからのSってわけでもないから~
↑根っからですけど。
智のM宣言はそっとスルーしてやって、
その首筋に、そっとキスを落とす。
「...あっ.翔ちゃん..」
「智。...アイシテルよ」
耳元で、そう囁いくと、
「俺も...」
小さくて聞こえないような智の相槌...
「俺も?」
「...俺も...愛してる..」
今度は振り返りながら、
智の方から、唇を重ねてきた。
...震えるほど、
幸せだって、感じながら、
俺は、その唇を受け入れた。