第15章 おいでよ、愛しい人…
俺を見上げるあどけない顔に、
ゆっくりと近づく。
智が目蓋を下ろしたその瞬間、
唇まで後2cmというところで、
止まったまま、彼の顔を見る。
......なんて、綺麗な顔してるんだ...
直ぐに戴いちゃうのは、
勿体なくて、しばらく、
可愛い唇を観察している。
なかなか落ちてこないことを、
不思議に思った智は、
伺うように薄目を開けた。
俺が、じっと見ているのに気付くと、
「なんだよ!何で見てるの?
...もう!!」
...コミックなら、湯気でも描くか...
プンプンと擬音を入れるか...
智の反応に、そんなことを思ってる俺...
「キスされるの、待ってる顔が、
超絶、可愛くって~♪」
揶揄する俺に、
「...翔ちゃん、嫌い!」
と、横を向いた。
(もう~///かわい~い~♪♪)
うっかり、30過ぎのおじさんだって、
忘れるぜ!
怒って膨れた彼も、
捨てがたいけど...(//∇//)
俺は、尖った顎を持って、
自分の方に向けて、
チュッと音を立ててキスをした。
直ぐに離れて、
もう一度智の顔をじっと見ると、
暫く、目を反らさず見ていた智が、
急に俺の首を両手で引き寄せ、
唇の3cm手前で止めた。
「全然、足りないんですけど!」
そう言って、俺の唇は彼の餌食に...
...どうした~?
いつもと違うじゃない...智くん(*ノωノ)