第15章 おいでよ、愛しい人…
「翔ちゃん...」
俺の腕の中で、智が俺の名前を呼ぶ。
そんないつものことが、
今は、凄くうれしくて、くすぐったい。
「ありがとう。智...
この絵さ、智がどんなに俺のこと好きか、
すごく出てて、恥ずかしいけど、
すんげ~嬉しい。
どうやって、この気持ち、伝えたらいいのか、
分かんないよ」
「...じゃあさ、
...俺を、抱いて。
めちゃくちゃにしてもいいから...」
ぼそぼそと、俯いたまま言う智の言葉に、
俺の中の、理性が、
(そんなもの、智といるときは、
ほとんど、残ってはいないけど...)
音を立てて、切れた...
そんな、気がした。
俺は、彼の唇を強引に奪った。
智もそれに応えて、
俺の腰に両手を回してきた。
貪るように、彼の唇を吸い、
甘噛みし、擦ると、
彼の方から、赤い舌を差し出してきた。
それからは、もう夢中で、
激しいキスを繰り返す。
舌を絡め合い、強く吸い上げ、
彼の口の中を、蹂躙する。
「..んん..んっ..
しょう..すき...」
急に来た激しすぎるキスの合間に、
智が、俺を好きだという。
背中に回した手に、力が入って、
感じてることを、俺に伝える。
「...智...好きだよ...」
素直に答えてやると、
智は薄く目を開けて俺を見て、
ニッコリと微笑んだ。
その目から、すーっと
一筋の涙が零れ落ちた。