第15章 おいでよ、愛しい人…
夢のような、南の島のバカンスを
楽しんだ俺たち。
翌日にはもう5人での撮影に臨んだ。
...なんだか、一気に現実。
その合間、相葉くんの一言から、
俺たちのバカンスの話題になる。
「すごいね~!リーダーのTシャツ
なんていう魚?」
相葉くんが、智のTシャツに食いついた。
流石に、お揃いでは着て行けず、
智のみ、着用。
「これは、GTだよ。」
「へ~、釣りもしたの?」
相葉くんは、
俺よりも智と何回か釣りに行っている。
だから、魚のことにも興味があるらしい。
「うん...でも、GTは釣れなかった...
シイラが3匹だけ...」
ちょっとガッカリする智に、
相葉くんは、
「すごいじゃん!シイラだって。
それ、美味いしね!」
(おっ!相葉くんはシイラをごご存じで...)
「シイラ、ってさ、
ハワイのマヒマヒのことでしょ?」
(えっ?松潤も、いける口だ...)
「で?翔さんも、シイラ釣ったの?」
「えっ?」
不意にニノに振られて、
みんなの視線が俺に向く。
俺が、釣りに興味がないことも、
もちろん、みなさん、ご存じなわけで...
それぞれが、俺から、
どんな釣り談議が飛び出すのかと、
興味津々のご様子で。
「俺は、シーラ、釣ろうとしてないし...」
「じゃあ、何してたの?その間。」
「イカ?...釣ってた...」
その答えに、3人が一斉に、
「へぇ~...」と言った。
『へぇ』は見事に、ハモった。