第14章 青空の下、キミのとなり
この日は、ボラボラ島を離れ
夕方の飛行機で日本に帰る。
「また、ぜーったい、来ようね!」
締めの言葉を、彼が言う。
寂しさをごまかすように、
ワザとはしゃいで...
でも、眉が下がちゃってるじゃん..(^^;
俺は、智とのこの旅行の最後に、
あの島を回って帰ると決めていた。
新婚旅行客には、定番のツアーコース。
飛行場で小型のセスナに乗ろうとすると、
「翔ちゃん、それじゃ帰れないでしょ?」
心配そうに言う彼に、
「もう一個、見ておきたいとこがあるんだ..」
怪訝そうな顔する智と一緒に、
俺は、小型セスナに乗り込んだ。
俺たちが乗ったセスナは、ボラボラ島から離れ、
白い波が形作る小さな島へと、向った。
「智...あれ、見て!」
「どれ?あの島が、何...あっ///」
...そう...その島の形は、
真ん中が海の、ハート形。
恋人たちの聖地だ...
「すげぇ~!!翔ちゃん!
あの島、見て見て!..ハート型だ~」
すると、キャプテンが、
各国の言葉で書かれたボードを、
俺たちの前に差し出した。
日本語では
『この島の上でキスすると、
二人は永遠に結ばれる』
親指を立てて、
GOサインを出すキャプテンに煽られて、
俺たちは、地上4000mで、
誓いのキスを交わした。