第2章 裏切りの夜
そう言いながら、
ゆっくりと、
近づいてくるニノの瞳に、
魔法にかかったように、
反らすことができない俺は、
吸い寄せられるように、唇を重ねた。
.........
俺は、潤の気持ちが重かった。
潤が思ってくれる気持ちと同じくらいに、
彼を愛せたなら、
こんな気持ちに悩むこともなかったのに...。
まるで恋人のような目で俺に甘え、
周りに憚らずに接してくる彼に、
関係が始まった頃の俺の、
潤を可愛いと思った気持ちは寧ろ、
それとは逆の方に流れてしまい、
もう、止めることは出来なくなっていた。
そして、
最悪の形で潤に、
引導を渡すことになってしまった。
────────潤....。
ごめんよ。
俺もまだ子どもで、
どうしたらいいのか、
分からなくなってたんだ。
今ならもっと、
お前に違う道、教えてやれたのに...。
俺って、サイテーだろ....。
こんな俺のことなんか、
嫌いになっていいから、
さっさと忘れて、
お前のこと。
大切にしてくれる奴を探せよ。