第5章 再会
グイと強い力で僕の顎をあげる。
「理解などしなくていいのです。あなたは取引された“物”に過ぎない。考えても時間の無駄です。」
赤い瞳の中に
眉を寄せあげた僕が映っている。
彼はそっと僕の頬に手を添えた。
「……さすが、
リヒト様が……
見込んだだけございます…。」
唇を親指でなぞる。
「…ピーター様。
あなたもアナリア様に負けず劣らず
…とても美しい……。」
ガバッと顔で手を払いのけ、蹴飛ばそうと足を降った。
だが簡単にかわされ、
逆にビシッと思いきり頬を平手で殴られた。
「おっと…、手が滑ってしまいました。」
そして座っていた椅子を蹴飛ばされ、
床に転がり倒れる。
「ピーター様、この取引はあなた様の行動によっては白紙にすることもできます。」
「でもそれじゃあ、お母様の治療費はどうするのです?。お父様も、過度な労働で日に日に衰弱しているんでしょう。」
肩を蹴られて仰向けにされた。
「だから変な抵抗や反発はお控えください。
これはルールです。お客様の前では…特に。」
そう言って
顔の上で覗きこみ、舌をだす。
黙って睨む僕の頬に
…ぽた、りと
唾液が糸をひいて落ちた。
「………そうです。…そのように。」
彼はぐるっと首を回し、骨を鳴らしてから
僕を引っぱり起こして正座させた。
「…さて、整えましょうか。」
転がっていた椅子を持ってきて僕の前に座る。
ベルトをカチャリと外しチャックをおろした。
上を向いた大きな彼のモノが露になる。
「……な!何を!!!!。」
しーっと唇にひとさし指を当てられた。
「……大きな声を出さないでください。」
すると頭を鷲掴みにされ、
口元に押し付けられる。
「んんん………んー、…」
びるん、…びるん、と
唇の上を生暖かい肉が滑る。
「ん、…いや、だ……。」