第5章 再会
──────……ん … …
……あ…れ……?
頭がぼーっとする。
目が覚めると僕は椅子に座っていた。
どうしてここにいるのか全然思い出せない。
そしてすごく身体が重い。
部屋を見渡すと随分暗かった。
夜だろうか…
今何時だろうと動いた瞬間、
手がでなかった。
後ろで縛られているのに気がついた。
「おはようございます。ピーター様。」
混乱し、もがいていると男の声がした。
まだ焦点が合わない目を凝らして
声の先を見る。
ぼやけた輪郭が定まってきた頃
だんだんと見えてきたその人は、
アルベルトさんだった。
「怪我をするといけませんから、あまり動かないでください。」
彼が近づいてくる。
そうだ…思い出した。
あのとき、誰かに急に口を塞がれて
目の前が真っ白になったんだ。
「ここ…は…どこ?」
声に力が入らない。
彼は目の前で立ち止まり、僕を見下ろして答えた。
「あなたの家ですよ。」
(僕の…家?)
こんな部屋、家にはない。
ましてや、じゃあなんで
彼が居るんだ?
「これからここが、ピーター様の家になります。」
……?
ぼーっとしてるせいで頭が回らないのか?
混乱する僕を、クスりと彼が笑った。
「わからなくて無理もありません。ご説明差し上げましょう。」
そう言って、続けた。
「ピーター様のお父様に取引を申し出たのです。」
「新しい家と土地の譲渡に、現金と歩合のいい職の紹介、そして奥様の今後一切の治療費の負担をこちらがする。。その代わりに…」
「ピーター様を養子に頂けないかと」
(───!!!???)
あんまりびっくりして声も何も出なかった。
養子……?
養…子……って……
「お父様は、ご了承してくださいました。
したがって本日から…ピーター様はこの家の家族です。」
言っている意味が………