第3章 春の匂い
「はあ〜まさかこの時代でパソコンに出会えるとか…しかもレシピサイトも充実してるし表計算ソフトも入ってるからこれなら献立表もすぐ作れるし仕事捗る〜!!……はぁ、なんか涙出てきたわ。」
俺のノートパソコンをこはるに貸してやると、目を潤ませて喜んでいた。
「つーかこはるなんかキャラ違くね?!」
俺のツッコミを見事にスルーし、黙々とレシピサイトを見ながら表計算ソフトを動かしているこはる。
「しかし、ほんとこはるさんが来てからまともな飯にありつけてるんでありがてえもんでさァ。」
「ああ、確かにな。」
「その美味い飯を犬のエサにしちまう土方さんはそろそろ死んだほうがいいですぜ。」
「お前が死ね!」
総悟と2人そんなしょーもない言い合いをしている内に、カタカタと高速でキーボードを叩いていたこはるの手が止まった。
「土方さん、プリンターってあります?」
「あ?ああ、事務所のプリンターに繋がってっからそのまま印刷していいぞ。」
「ありがとうございます!とりあえず来週一週間分は出来ました。献立表と必要な食材の分量を出したので後で確認お願いします。」
「ああ。」
そのあまりの仕事の速さに驚いた俺は、こはる専用のパソコンを用意できるよう勘定方に頼もうと心に誓った。