第7章 お泊まり?いえ介抱です。
「ごちそーさまでしたー!」
我ながらすごい量のおでんを食べたと思う。美味しかった!
そろそろ帰ろうと思い、途中からコップを抱きしめ寝始めた一松くんに声をかけてみる。
「一松くーん、起きてるー?」
「ん…」
「一松くーん?」
「んー、起きてる……」
小さな声でそうつぶやくが起きる様子は全くない。
「私もう帰るよー?」
「……だめー」
「ダメって言われてもなぁ…」
一松くんを揺さぶっていたら袖をつかまれた。まるで弟が出来たみたいな気分になる。
「……ちび太さん、一松くんどうにかなりませんか?」
「こいつぁ、一度寝たらおきねぇぜバーロー。こうなった時はいつも兄弟におぶってもらって帰ってるんでぃ」
「ええー、一応連絡してみるか…」
「えっ、知ってんのか?」
「友達ですから」
携帯をとりだしカラ松さんに電話をかける。……………………………出ない。しょうがないからトド松さんにLINEを送ってみた。
「んー、待ってる間にお茶ください」
お茶をのんで20分ほどのんびりしていたが既読がつく気配すらない。だんだんと待つのが面倒くさくなってきた。
「返事ないですね……、ちなみに一松くんの家ってどれくらいの距離ですか?」
「こっからだと30分かかるんじゃねえか?」
「………私の家のほうが近いか」
「は!?」
タクシー代にしても絶対一松くんお金もってないから、私が払うなら近い方がいいや。
「袖、離してくれないみたいなんでそのまま連れていきますね」
「いや、でも、コイツ男だぜ?」
「大丈夫ですよ、人の急所はわかりますから」
「……お、おう」
ちび太さんを説得し、何故か一松くんの分のお金まで払ってタクシーをよんだ。そうして袖を離してくれない一松くんと家に帰ることになった。