第6章 歩きだす
*渉side*
ホテルのロビーでえみの姿を探す。
広いロビーをぐるっと一周歩いて探してみたがえみの姿が見つからない。
ーやばい、帰った?怒らせた?ー
すぐ終わると言ったくせに連絡も入れず2時間放置。そもそもすぐ帰る予定でいたのに一方的に待たせてる。
余裕がなくなってるな、と思いながら部屋に向かって、えみに電話をかけてみる。
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『もしもし?』
渉「ごめん!今やっとホテルに戻れて・・・」
『あ、ほんと?今ね、ホテルの近くのコンビニにいるの。コーヒー買おうかなって』
渉「そうだったんだ。帰っちゃったのかと思った」
『えー、渉くんが待っててって言ったんでしょー?おかげでもう終電間に合わないんだからね!』
渉「ごめんって。でもいいじゃん、今日はもう一緒にいるしかなくなった」
『なに言って・・・あ!ニカちゃん!!?』
すぐに会える距離にいるから、早く会いたくてうずうずしてるのに、えみは彼氏でもない男の名前を出して電話の向こうでキャッキャッ話しだした。
渉「おーい。えみさーん」
『あ、ごめん。今ニカちゃんいるよ!夜食買いに来たんだって』
二「ほらね!俺言ったじゃん!えみちゃんいるよって!!やっぱりいるじゃんー!」
渉「わかったわかった。高嗣くんの言うとおりでした。っていうか今まで忘れてたくせに偉そうに・・・」
『もしもし?渉くん?今からそっち行っても大丈夫なの?ニカちゃん連れて行ってくれるって言ってるんだけど・・・』
渉「うん、じゃぁとりあえず待ってるから。・・・早く来てね?」
『うん!わかった!じゃぁまたあとでね!』
電話を切って20分が過ぎた頃、部屋のインターホンが鳴った。
ドアスコープを覗くとえみと、えみの髪の毛をわしゃわしゃ撫でるニカの姿があった。