第4章 想い
*渉side*
渉「謝るのもなし。えみちゃんはなにも悪いことしてない」
そう言ってえみちゃんの頭を優しく撫でる。涙を流すえみちゃんを見ているとどんどん守ってやれなかったことに腹が立ってくる。
渉「えみちゃん、とりあえず今日はうちにおいで?」
『・・・ううん、悪いよ・・・渉くん、明日も仕事、あるでしょ?』
渉「そういうのは気にしないでいいから、ね?それにここに1人でいるのも辛くない?」
渉「俺と1対1になるの気になるなら、俺はどっかホテルに泊まるから。だからお願い。今日はうちに泊まって。心配なんだよ」
ー心配もある。でも自分の目の届くところに置いておきたいというのもある。こんなときに俺はわがままなのかもしれないなー
『・・・いて』
渉「ん?」
『・・・渉くんの家、行くから・・・でも、渉くんも家にいて・・・』
渉「いいの?」
『ん・・・いてくれた方が安心する』
渉「わかった、一緒にいる」
えみちゃんは力なく微笑むとゆっくりと立ち上がり準備を始めた。
そんな姿を見ているのも辛かった。
家に着き、温かい紅茶を出してえみちゃんが飲んでいる間にいつでも寝れるよう準備をしておく。
えみちゃんに寝室を使ってもらって、俺はソファーで寝るつもりだったが、それを知ったえみちゃんが申し訳ないからと遠慮してきた。
遠慮するえみちゃんを無理矢理寝室に連れて行きリビングに戻ろうとするとうしろから声をかけられた。
『渉くん・・・』
渉「どうした?」
『あの、ね。わがまま、1つ聞いてくれる?』
渉「いいよ。なに?」
『手。少しでいいから・・・手繋いでてほしいの』
渉「うん、いいよ。えみちゃん寝るまでそばにいるから。だから今日はもう安心して寝な?」
『ありがとう』
渉「えみちゃんに言われたら手繋ぐくらいいつでもしてあげるって」
冗談っぽく言ってえみちゃんの頭をくしゃくしゃを撫でた。
そうしたらえみちゃんがまた泣き出したから慌てて手を離す。
渉「えっ、あっ、ごめんっ」
『ちがっ・・・渉くんが今日助けに来てくれたことが、嬉しくてっ・・・』
『いつも・・・助けてくれるよね。ありがとう』