第3章 記憶
渉「でさぁ、結局えみちゃんはキスマイの中で誰が1番なの?」
『渉くんしつこい』
渉「だって昨日も教えてくれなかったし」
『そんなの聞いてどうするの?』
渉「えっ、ほら、もしかしたら力になれるかもしれないじゃん。好きなやつに会わせるとかさ」
『知りたい?』
渉「うん」
『・・・下の名前が3文字の人かな』
渉「待って、それ7人中5人もいるからね、全然・・・」
渉「え、北山じゃないんだ」
『だーかーらー!渉くんはなんでそんなに北山北山なの?』
渉「そっか・・・違ったんだ・・・でもじゃぁなんで本屋さんであんな真剣だったの?」
『や、それは・・・深い理由はないよ』
渉「なんで目そらした?」
渉くんが目を細めながらじりじりと私に近づいてくるから、問い詰められると思って座った姿勢のまま後ずさりしていたらバランスを崩してしまった。
『きゃあっ』
渉「あっ」
・・・・・・
2人の間に流れる沈黙。
バランスを崩して私が床に背中から倒れこんでしまった。
そしてその衝撃で渉くんもバランスを崩してしまって、私に覆いかぶさるような形になってしまった。
渉「ごっ、ごめん。大大丈夫?」
『う、うん////』
♪~~~~~~
『あっ、電話電話っ』
渉「あ、うん、どうじょっ、ぞ」
スマホを手に取ってディスプレイを確認すると血の気が引いた気がした。
さっき渉くんとの距離にドキドキしたけど、そんな爽やかなドキドキはもうない。
逃げ出したいという気持ちからなのかドクンドクンと、冷や汗まで出そうなくらい今は恐怖心しかない。
渉「えみちゃん?」
スマホのディスプレイを見つめるだけのえみに気づいたようだ。
渉「電話、貸して?」
『え?』
渉「貸して!」
『あっ』
ピッ
渉「もしもし」
?「誰?えみは?」
渉「何の御用でしょうか?」
?「いや、誰だよお前」
渉「ご用件はなんでしょうか?」
?「えみにかわってくんない?えみに用があるんだけど」
渉「・・・」
?「ちっ。もーいいわ。えみに電話出ろってあんたからも伝えといてよ。じゃ」
ツーツーツー・・・・