第3章 記憶
2人が帰ってしまうと静かな部屋に自分1人だけ取り残された気がして寂しくなった。
家主がいないのに長居するわけにもいかないと思って、帰る準備を始める。
ー2人ともいい人だったな。みっくんはいっぱい話しかけてくれて(ちょっとチャラかったけど)気さくだし、藤ヶ谷さ、じゃなくてガヤさんは立ち振る舞いが本当に王子様って感じだったなぁー
ちゃんと鍵が掛かったことを確認してから、合鍵をかばんの中に入れた。
合鍵を持ってるなんて、なんだか彼女にでもなったみたいでくすぐったかった。
渉くんからじゃなくてみっくん経由で託されたんだけど。
迷惑掛けちゃったから渉くんにも連絡入れておこうと思って、自宅に帰り着いてからスマホを手に取った。
【昨日は泊めてもらってごめんね!
みっくんとガヤさんに聞いてるかもしれないけど、
渉くんの家の合鍵を借りました
戸締りはちゃんとしてきたから心配しないでね!
鍵は今度会ったときにちゃんと返すね
お仕事がんばってー(^^)/】
変な文になってないか何度も読み直してから送信した。
次に会えるのはいつだろうか、なんて考えていたら昨日の出来事を思い出してしまった。
ー電話、次かかってきたら出なきゃ。もう逃げちゃダメ。はっきり言えばいいだけ・・・ー
渉くんの合鍵を返すときは想像以上に早くやってきた。
夜、わざわざ家まで取りに来てくれたのだ。
仕事終わりで疲れてるだろうから、また今度でいいよって言ったのに聞いてくれなかった。
そんなに私の手元に合鍵があるのが嫌だったのかな・・・?汗
『ごめんね、わざわざ来てもらっちゃて』
『これ、はい。ありがとうございました』
渉「謝るのはこっちだから。うるさいのが突然押しかけてきちゃってごめんね」
『いや、そんな。2人ともいい人だよね』
渉「俺がいない間、あいつらに変なことされなかった?大丈夫?!」
『あははっ、心配しすぎだよー』
『こんな幼児体系にそんな魅力つまってないって』
渉「そんなこと言ってもえみちゃん女の子なんだからね。もっと危機感持たなきゃだめ」
渉「今だってそうだよ。俺来るって言ったのに、なんでそんな格好なの?」
『え、あ、格好?だってどこにも行かないと思ったから部屋着なんだけど・・・あ、もしかしてどっか出る?』