第3章 記憶
*渉side*
待ち合わせ場所に早く着いたからちょっとだけ本屋に入ってみた。
入ってすぐにえみちゃんがいることに気がついた。
なんだか今日はいつも以上にかわいらしく見える。
声を掛けようと思って近づくと、えみちゃんが読んでいた雑誌に北山と太輔の写真が見えた。
なんだか真剣にその写真を見ているような気がして正直妬けた。
俺が意地悪しすぎてたぶんえみちゃんは怒ってる。
俺の腕をつかんだまま振り向かずに映画館に向かって歩いていく。
一応映画には行ってくれるんだとほっとするけど、そこからなんて声を掛けていいのかわからなくなった。
ー付き合ってもないのに嫉妬って・・・ダメだろ俺・・・-
映画館までもうすぐのところでえみちゃんが足を止めた。
同時に俺の腕をつかむ手に少し力が入った。
『渉くん・・・』
『やっぱり今日ちょっと映画やめません?』
渉「え・・・」
『ご、ごめんなさい!映画じゃなくてやっぱ・・・』
?「えみじゃん」
?「こんなとこでなにしてんの?」
『あ・・・・』
ーあれ、この男ってこの前・・・?ー
?「ちょっとさー電話くらい出ろよお前」
?「家、引越してないよな?変わってないんだろ?」
『あ、あの、今度は・・・電話出るようにするから・・・今はちょっと・・・』
?「・・・なに?新しい男?」
男にじろりと見られる。
でもその瞬間にえみちゃんが俺の前に立った。
ーえ、もしかして、えみちゃん俺を隠そうとしてる?こいつにばれないように?ー
『ほんとに・・・そんなんじゃないから・・・』
俺よりも背が小さいくせに、一生懸命俺の正体がばれないように、高圧的な男から俺をかばってる。どう考えたってえみちゃんで俺が隠れるわけないのに。
何かを怖がっているかのようにびくびくしながら男と話す姿も、また一生懸命俺を隠そうとしていることが伝わってくる。
きっと芸能人だからトラブルになってはいけないとか思ってるんだろう。
ーそんなちいさな身体で・・・ー
渉「すいません!おれらちょっと急いでるんで!」