第2章 友達として
横尾さんと約束した週末はあいにくの雨となった。
電車で待ち合わせ場所に行くつもりだったのに、雨だからという理由でわざわざ横尾さんが迎えに来てくれることになった。
この前の埋め合わせのつもりだったから、迎えに来てもらうなんて手間掛けるのは申し訳なくて断った。断ったけど横尾さんも優しいからか気を遣ってくれているのかか、なかなか引き下がらない。
最終的にえみが折れて、おおまかな住所を伝えて横尾さんが来るのを待っていた。
ある程度の準備を終わらせてテレビを見ていてふと思った。
ーあれ?こんな普通に芸能人と出かけて大丈夫なのか?-
ーましてやジャニーズ!週刊誌やファンの子に勘違いされたり写真撮られちゃったら?!ー
楽しみに思っていた約束の時間が、どんどん不安になってきた。やっぱり今からでも断りの連絡を入れようか・・・そう思っていたとき、えみのスマホから着信音が聞こえた。
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渉「あ、もしもし?えみちゃん?たぶんついたと思うんだけど・・・」
『えっ!あっ、あの今さらなんですけど大丈夫ですか?』
渉「え?なにが?・・・あ、雨のこと?このくらいなら大丈夫だってー」
『いや、そうじゃなくって・・・』
渉「んー?まぁとりあえずこっち来てくれるかな?玄関の前に停めてあるからさ」
『でも・・・』
渉「話はちゃんと聞くから。車の中で!それとも俺がえみちゃんの部屋上がっちゃっていいの?」
『わ、わかりました!行きます!すぐ行きますから待っててくださいっ」』
マンションの玄関を出るとき、車に近づくとき、乗り込むとき、周りにこっちを見ている人はいないかかなり見回した。雨が激しくなっていることもあって人の気配は感じなかったが、それでも万が一を考えてえみはサササッと早足で車に乗り込んだ。
渉「よっ」
『おじゃましまーす』
バタン!
助手席のドアを閉めてもう一度あたりを見回す。
渉「どしたの?なんかあった?」
『いや、あの、すごい今さらなんですけど大丈夫かなぁって』
渉「ん?」
『だから、ほら、誰かに見られて変な記事とか出ちゃったら・・・横尾さんだけじゃなくてメンバーのみなさんにも迷惑掛けちゃうし・・・』
渉「あぁ」
『でも今は大丈夫っぽいです!確認しましたっ!』