第1章 「万引き」
あれ?なんか…見覚えがあるような…
てかその前に…うわ、男じゃん!
しかも六人組…
私は背が高いほうだし、中二で駄菓子屋に来る男子なんてそうそういないから、いつもは我慢できるんだけど…
よりによって私より背が高いし。
てかちょっ、待って、なんか変な動きしてる…しかもさっきからチラチラ見てくる人がいるし…
ちょっと、見に行ってみようかな…
ここの駄菓子屋はそんなに大きくなくて、私一人で見られるほど。だから行くのにそんな時間はかからなかった。
少し距離をとってから話しかけてみる。
『あ、あの…なにしてるんですか?』
「……」
う、こわい…なんか紫色の服着た人がこっち見てる…
も、もう一回!
『あ、あのぅ…』
あ、今度は黄色の人がこっち向いた!
?)「あ、これは、万引きじゃないよ!ま、万引きじゃないよ!」
な、なんなのこいつ…
ん…?あ…もしや…ま、万引きじゃ…!?
よく見たら手に駄菓子持ってるし!?
『ま、ま、万引きーーーー!!!?』
?)「あ、ばれたわーww!」
ほ、ほんとうに万引きだなんて…と、とりあえず!
『ちょ、ちょっとこっちきてください!』
なにがともあれとりあえず事情聞かなきゃ!
…で、とりあえず聞いてみたんだけど…
「だからごめんってーww」
ヘラヘラしてる赤い人に、
「フッ、これにはわけがあってな…」
なんかかっこつけてる青い人と、
「ちょ、言うなって!」
なにやら青い人の口をふさぐ緑の人、
「………………」
何も言わない紫の人、
「うぎづyyfyjrsづyj!」
奇妙な動きと言葉を発している黄色の人、それに
「それでさー…うんうん、だよねー❤」
女子みたいな口用で、スマホをいじってるピンクの人…
てか、この人たち私の話聞いてないし!
そろそろ我慢の限界なんだけど…!
『ちょっと、何したかわかってるんですか!?』
予想以上の声が出てしまった
やばっ、ハズい!
六人全員がこっちを向いてきた。
「…それで?」
『はいぃ!?』
「どうしてほしいわけ」
紫の人が言った。
た、たしかに…お母さんに心配されるのはいやだし…
だからといってこのままは…うーん…