第2章 哀しみの色
【一松side】
…あー、クッソ。またやっちまった。
つくづく、こんな自分が嫌になる。クズで、生きる気力のない燃えないゴミ。
そう…なんで俺は生きてるんだ?
なんであの時死ななかったんだ?
死んで楽になりたいと思ったわけじゃない。俺みたいなゴミはさっさと死ねばよかった、それだけ。
かといって、自分で自分を殺す勇気はない。そんなものに価値はない。
最初から最後まで俺は、ただあいつを守れればよかったんだ。
守るだけで…よかったんだ。
でも
守ることすら……できなかった。
…ハハ、この役立たず。
なんでまだのうのうと生きてるんだよ。
退院がなんだっていうんだ。
それを聞いても喜べない。喜ぶ理由がない。
会えない。会う資格がない。
だってそうだろ?
俺のせいなんだから。
俺がいなければ、あいつはあんな目に遭わずに済んだんだ。
おそ松兄さんだって……
「…っ…くそ…」
戻れるものなら戻りたい。
全てをなかったことにして、最初からやり直せるのならどんなにいいだろう。
「…鈴」