第8章 葛藤
【おそ松side】
一松…寝ちまったか?
ソファーの上で丸まってる。猫みてぇ。
なんか…一松、悩んでるみたいだったな。
こいつ中学卒業してからめちゃくちゃひねくれちまったからなぁ。全然素直に自分の気持ち伝えてくんねぇし、お兄ちゃんそこんとこけっこう心配してんだよ?
そりゃさ…お前がそうなった原因は俺にもあるから、責めたりできないけど…
ああそういや、こないだ鈴に、「学校生活はうまくいってるか?」って聞いた時…
『毎日昼休みとか放課後にイッチーと話すのが楽しみなの!』
にこにこ笑いながら嬉しそうに一松のことを話すあいつが、見てて微笑ましかったっけ。
一松に鈴を託すのは、多少強引かなとは思ったんだ。ただでさえあいつ人間嫌いになっちゃってたしな。
でも、結果として鈴は一松に懐いてるし、一松も優しくしてやってるみたいで安心したんだよ。
安心…そう、安心。
やっぱ兄として、弟の成長を喜ぶのは当然の務めだしな。
だからさ…もっと自分に自信持てよ、一松。
悩みがあるなら、俺に相談すればいいだろ?
それとも…俺に言えないようなことで悩んでんのか?
あー、頭ん中ぐるぐるしそう。もっぺん寝るか。
「いっちまっつにいさぁぁぁん!!」
スパァァァンッ!Σ「ぐおっ?!」
突然の十四松の襲撃…じゃなかった来訪に、一気に眠気が吹き飛んだ。ちょ、んな勢いよく開けたら襖壊れんだろ。
「あ!おそ松兄さんもいる!」
「お、おう十四松。一松なら寝てるよ?」
「マジっすか!残念!」
「どったの?」
「!う、ううん、なんでもないっす!さらば!」ダダダダダーッ
「?」
なんだったんだ…?