第4章 募る想い
【おそ松side】
入学式が終わり、帰りのホームルームも終えた後、俺はすぐさま隣のクラスに駆け込んだ。
窓側の席にいるのを見つけ、手を振りながら声をかける。
「おーい、チョロ松ー!」
「…!」
向こうもこっちに気付いたらしく、荷物をまとめて席を立ち、俺の方にやってきた。
「おそ松兄さん、いたんだ。まだ家で寝てるのかと思ってたよ」
「うわ、ひっでー言い種。ちゃんと入学式には参加したよー?めちゃくちゃ遅刻したけど」
「ああ、途中ざわついたのって兄さんが入ってきたからか。かなり目立ってたよね。同じ兄弟として恥ずかしいよ」
「…なんかさ、お前俺に冷たすぎねぇ?」
真顔でつらつらと辛辣な台詞を吐かれて心が折れそうになる。…けどそんなことよりだ!
「なぁ聞いてくれよチョロ松!俺彼女できたんだぜ!」
「……は?」
チョロ松はただでさえ小さい瞳をさらに小さくしてぽかんとする。驚いてる驚いてる、いやー気分がいいな!
「へへーん、羨ましいだろチョロ松ぅ。なんと俺は高校デビューならぬ彼氏デビューを
「はいはい、寝言は寝てから言ってね。ほら行くよ、他の3人とも合流しなきゃ」
「いででででッ!?」
俺の話など右から左とでも言うかのように鮮やかにスルーされ、すれ違いざま耳を掴まれてそのまま廊下に引っ張り出される。ちょ、弟のくせに長男に対する扱いひどすぎない?!
「ち、ちげぇっておい人の話聞けよ!」
「うるさい」
「あ、おそ松兄さんにチョロ松兄さん。やほー」
「なんだ、遅かったじゃないか。玄関で待っていたのにいつまで経っても来ないから迎えに来たぞ」
「あれー?なんでチョロ松兄さん怒ってるのー?」
タイミングよくカラ松たちがやってきた。こいつらなら信じてくれるだろ!