第9章 夏休み
【一松side】
おそ松兄さんが自分の寝床に戻る気配がして、僕は薄く目を開ける。
…寝るの早…布団潜って5秒即寝とか、さすが長男というかなんというか。
僕がずっと起きてたことなんて、二人とも気付いてないんだろうな。
なるべく音を立てないように寝返りを打つ。彼女は仰向けで規則正しい寝息を立てていた。
暗がりだからよく見えないけど…多分、幸せそうな表情をしてるんだろうな。
兄さんが彼女の上に跨がり出した時には本気で戸惑ったけど、まぁさすがに手は出さなかったみたいで安心した。…キスはしてたけどね。
はぁ、なんか余計に眠れない。大体兄さんはどういう意図があって僕の隣にこいつを寝させたんだ?一番端だから?いや、はた迷惑にも程があるだろ。っていうか同じ端ならいろんな意味で十四松の方が安全だったと思う。
……もう、遅いけど。