第9章 猫王子といじめ
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翌日。
『…あれ?今日は無い?』
2学期始まって毎日続いていた嫌がらせが今日は無かった。
『ふっふっふ!どうだ参ったか!!!あたしは強ぉぉぉい!』
奈央「何言うてんねん。今日は1限目から体育やから早よ着替えな間に合わへんで?」
『おはよう奈央!忘れてたぜ!体育があたしを呼んでいるっ!』
奈央と一緒に更衣室へ急ぐ。体操服を一気に何着も持ってきてはロッカーに置いているあたしは、体操服を忘れる事はないのだよ。
『…は?』
奈央「どしたんー?って…何やねんコレ…」
残り1着だけ置いていた体操服が、何故かズタボロになっていた。カッターで切りつけたような跡。今朝の嫌がらせが無くなった代わりがコレか。
女子生徒「何コレ…大丈夫か?」
『大丈夫大丈夫!練習着あるし、先生に忘れたって言えば大丈夫』
奈央「…ウチ、の力になるよ!」
『奈央…ありがと!そこまで気にしてないし大丈夫だよ。まぁイライラはしてるけどね』
麗華「心当たりとかはあらへんの?」
『う~ん…正直あまり誰かに恨まれるようなことはしてないんだけどな』
女子生徒「せやな。は怒られても恨まれるような事はせぇへんもんな」
『そうなんだよ…ってオイ!』
こういうのは落ち込むほどに首謀者は調子に乗る。だから気にしない振りをしなければならない。だけど…あーあ、体操服買わなきゃな。
先生「ん?どしたん。体操服忘れたんか?」
『そうでーす。だから練習着でもいいですかー?』
先生「ったく、今回だけやで」
『ありがとうg』
いや、やっぱりやめた。ここで後手にまわるほど、あたしの気は長くない。それにここにはあたし達1組の他に、2組の人が全員いる。