第9章 猫王子といじめ
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昼休み、いつものように奈央とご飯を食べる。
奈央「アンタもとんだハズレくじ引いたなぁ」
『そう言うなら奈央たん席変えようよハァハァ。奈央たん1番後ろだよね羨ましいハァハァ』
奈央「…アンタ、夏休み明けてからキモさ倍増してるで。それより聞いてぇな!黄瀬君がな!メールでな!」
『キモ…うん、もうそれは褒め言葉として受け取る事に決めたよ…でなければあたしの心が潰される』
麗華「ちゃん!奈央ちゃん!」
『っと、麗華ちゃんじゃないか。どうしたの?』
麗華「私も一緒にご飯食べてええかな!?」
『え、うん!いいよ!ほら奈央、そこの席取ってあげなきゃ。…奈央?』
奈央「あぁ…せやな」
変な奈央。だけどその変な奈央はそれっきり話さなくなってしまった。黄瀬君の話をしようとしてたのに、いいのかな。一転して麗華ちゃんはよく喋るようになっていた。
麗華「ちゃん、席残念やったなぁ」
『そうなんだよ…あんな前になるなら王子の隣の方が何倍も良かった…』
麗華「私は嫌や!」
『麗華、ちゃん?どしたの?そんな大声出して…』
麗華「はっ!な、何でもあらへんよ!ただ席替えした方がいろんな人と仲良く出来るかなーって思ててん!」
『それもそうだねー』
「ポチ」
『この声は王z』
麗華「赤司君!」
おっと、あたしの声が麗華ちゃんにかき消されてしまった…誰よりも声が大きい自信あるのに…
『修行が足りぬでござるな!うむ!!!』
「何言ってるんだ。バレー部の奴が呼んでいるぞ」
『まじでか!お、あれは我が愛しのマイハニー!!!げっ!ミーティングあるの忘れてた!!!ごめん皆!人気者のあたしは部室行ってくるぜ!赤司さんきゅ!』
奈央「…ウチも用事思い出したわ。抜けさせてもらうで」
『そっかー、麗華ちゃん1人になっちゃう…』
麗華「ええよ!私も赤司君と部活の事で話あったから!」
あぁ、麗華ちゃんいい子だよ気を使ってくれてるよ…なんてしてたらバレー部の子に急かされてしまい、急いで出口に向かった。