第2章 猫王子と出会う
奈央の話によると、洛山高校はバスケットボール界でNo.1の高校だという。そして特に今年はキセキの世代が1人、無冠の五将が3人もいる最強チームになっているという。
『ちょ、ストップ。キセキの世代?無冠の…何?何の軍団?』
奈央「…、アンタ東京におったんよね?帝光中って知っとるよな?」
『帝光?…あ、中学の時の友達が言ってたような』
奈央「多分その帝光や。その帝光中のうちらと同い年のレギュラー陣が物凄く強くてな、10年に1人の天才って言われよったんや」
『ほぉほぉ』
奈央「その天才が一度に5人揃った世代、それがキセキの世代や。分かったか?」
『うん!だからご飯食べて良い?』
奈央「はぁ…アンタはこの素晴らしさに気付いとらんな。まぁええわ、問題はそこやない。、アンタの前に座ってた赤司君、彼こそがキセキの世代の主将だった男や」
『…あのヤンキーもどき君が?ぶへっ!』
奈央に思いっきり頭をシバかれました。その反動で思いっきり額を机にぶつけました。ものっそい痛い!
『何すんのさー。…あれ?これ腫れてない?こぶになってない?』
奈央「腫れて爆発してしまえ!あの赤司君にヤンキーもどき!?口が裂けても言えへんわ!」
『おーい奈央さん。言っちゃってますけど?ものっそい言っちゃってますけど?』
「僕が何だって?」
いきなりの男性の声に、奈央はびくっと異様なまでに肩をすくめる。麗華ちゃんの顔にはこれまた驚くほどまでに冷や汗が流れていた。そして振り返ると、そこには赤司君がいた。
『おー、赤司君。君の話をしてたんだよ』
「へぇ…何て話してたんだい?」
『お、興味深々だねぇ!さすが好奇心旺盛な年頃!あのね、あたし最初赤司君の事ヤンキーだと思ってたんだ!だってその髪の色!誰でも思うよねぇ!あっはっは!あ、今は思ってないから安心して…いだだだだ!何コレデジャビュ!例によって顎に刺さってる!』
奈央「バカ!すんません、赤司君!ただのこの子の寝言やけん!堪忍なぁ!ほら、あんたも謝り!」
『何で!?』
「いや、構わないよ。昔から髪色については言われてたからね。これは地毛だよ」
そう言ってにっこりと笑う。やっぱり綺麗な人は笑った顔も綺麗だなって思ったけど、何か違う。