第2章 猫王子と出会う
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最悪だ…東京にいるお父さん、お母さん。あたしの高校生活は最悪なスタートをきりました。
指定された席に座り、ひとまず前を向いた。その瞬間、固まった。何でかって?そりゃ固まりもするよ…だって前の席の人、髪めっちゃ真っ赤なんだもん!え、ヤンキー!?洛山って名門進学校だからそんな人はいないと思ってたけど…これ絶対ヤンキーだよね!?関わるのはよそう。
先生「あー、学級委員は女子はに決まったからええとしてやなぁ…よし、男子は赤司、頼むで」
「はい」
…ふぁっ?今誰が返事した?先生はどこ見てる!?…あたしの目の前じゃん!え!?この赤髪君が赤司!?ブフッ!名前と髪の色リンクしてんじゃん!って…さっき関わらないって決めたばかりなのにィィィィ!
「よろしく、さん」
『おふっ!って…よろしく…』
ヤンキー君もとい赤司君は絶対にヤンキーじゃない。人は見かけじゃないって言うけど、彼は絶対に違う。だってめっちゃ綺麗なんだもん!こんなヤンキーいたらファンクラブ出来るわ!
先生「じゃあ早速赤司、号令頼むわー」
先生のやる気ない声とは裏腹に、赤司君は凛とした声で号令をかけた。そして一気に疲れたあたしは机に突っ伏した。
?「なぁ、さん」
『はーい?』
?「アンタめっちゃおもろいなぁ!良かったらウチと友達にならへん?」
『!まじでか!これこれ!これだよあたしが望んでいた学園生活は!予定とはかなりずれたけど、この際もう関係ない!あたしの方こそよろしくお願いします!』
奈央「あははっ!ホンマおもろいなぁ!ウチは川崎奈央(かわさき なお)、奈央でええよ」
『天使(なお)!あたしは!でいいよ!』
奈央「って漢字変換間違うてへん?それより、友達になった記念にコレやるわ。ほな時間やから席戻るわ。また次の休み時間に話しよやー」
奈央、めっちゃいい人!友達記念、何かなー?プレゼントを握っている手を見て見るとそこには…
『…なんで鹿せんべい!?ていうかそれ奈良の名物!』
思わず叫んだ。そして後ろでは奈央がケラケラ笑っている。くっそ、はめたな奈央…