第2章 猫王子と出会う
赤司side
先生「えー、誰か学級委員やりたい奴おらへんかー?」
担任の言葉に誰もが視線を外し、やりたくないという意志を出している。しょうがない、僕が…
ガラっ
今にも手を挙げようとした時、後ろの扉が開いた。そこにいたのは黒髪で短髪、いかにもスポーツマンというような容姿にスクールバッグの他に案の定スポーツバッグを掲げた女生徒が立っていた。
『あれ?オリエンテーション始まってる?おっかしーなー。時間確認間違えたのかな』
その女生徒は鞄をごそごそと漁り、クリアファイルから1枚の紙を取り出す。
『やっぱこの時間じゃん。あと1人だから先始めよーぜ的な考え?やだ、ちゃん早速仲間外れ…』
女生徒「あ、あの…」
近くに座っていた女生徒がおずおずと話しかける。
『ん?どうしたの?友達になってくれるの?』
女生徒「え、あの…多分あなた勘違いしとるで。違うてたら堪忍やけど、入学式、昨日やで?」
『…pardon?』
先生「その通りや、。昨日来ぃひんから風邪かなんかかと思ててんけど…まさか勘違いだとは思わんかったわ」
担任は言葉と同時に盛大な溜息をついた。そして関西人の仲間である京都人はここぞとばかりに笑い出した。と呼ばれた女生徒はその場に座り込んだ。
先生「!?どないし…」
『ははは…勘違い?え?何コレ夢?泣いていい?あたし泣いていい?これじゃあせっかく考えた入学式から目立って友達100人大作戦が遂行出来ないじゃん…』
先生「何やその子供クサい作戦は。ほんなら先生が目立つ特等席を用意してやるさかい、安心せぇ」
『え!?マジッスか!やばい先生惚れそう!神様!仏さ…』
先生「今日からは学級委員や」
『…はめやがったなクソ教師ィィィ!あたしの尊敬返せ!』
教室が笑いで溢れる。もちろん僕は笑わない。それよりも今日の練習メニューを考えていた。
すると後ろの席がガタリと音を立てる。あぁ、そう言えば僕の後ろは空席だったんだっけ。そしてこれが僕と彼女との出会いだった。