第5章 猫王子とテスト
赤司side
『奈央~ご飯食べよ~お腹空いて死にそう~』
奈央「ええでー。せやけどウチ今日購買行かなご飯ないねん。ちょっと待っとき、先食べててええで」
『えぇぇ!?1人でご飯食べろって言うの!?酷!!!』
奈央「やけどしょうがないやん。すぐ戻って来るから待っときー」
『あぁぁぁ行ってしまった…ぐすん…奈央ってばあたしの事放って伸びるタイプだと思ってるな』
「いや、伸びるとは思ってないと思うけどな」
隣で川崎と会話していたせいで、内容は全部筒抜けだった。そしてとんだ勘違いをしていたせいで、ツッコみを入れてしまった。すると僕を見て笑顔になる。
『ねぇ王子!お弁当どこで食べるの?誰と食べるの?』
「今日は部室でスカウティングしながら食べる。…1人でだがな」
『なら一緒に食べようよ!ね、いいでしょ!ねぇ王子ぃぃぃ!』
「だから僕はスカウティn」
『え!?いいの!?やったー!王子大好き!!!!』
「!!!」
本来ならば僕の話も聞かずに、勝手に答えを出したに怒るところだが、何故かそんな気持ちは一気に消えた。それよりもが言った"大好き"の言葉が頭の中を回っていた。
『王子?』
「…はぁ。今回だけだぞ」
『やだー。また誘ってやる!!!』
の顔がまともに見られない。それどころか何故か心拍数が上昇している。…病気か?
『そんなことより王子さ、テスト勉強してる?』
「まだしてないが毎日やっているから問題ないよ。ポチはどうなんだ?」
『あたしだってやってるよー、こう見えて』
「…」
『オイ何だその顔は!!!そんなに信じられないか!そんなにあたしが真面目に勉強してるとは思えないかコラァァァ!』
「あぁ、思えないな」
『そんなにキッパリ言わないでくれよぉぉぉぉ!!!やだ、しょっぱい汗が流れてる…人はこれを涙と呼ぶ!!!…はぁぁぁ。今日から職員室通いか…』
「?どうしてだ?」
は空気を全部抜いたように小さくなってしまった。というかとても不細工だ。