第4章 猫王子と球技大会
それから赤司と話す事無く球技大会は終了した。まあ話さなかったんじゃなくて話せなかったんだけど。それくらい忙しかった。
『お前ら大好きだぁぁぁぁぁ!見よ!これが我らが団結力!全ての競技の1位は我ら1組が全て勝ち取った!』
全員「うおぉぉぉぉぉ!!!!」
そう、見事に全ての競技で優勝した。赤司はきっと誰が指揮を取ったんだと思ってるだろうけど。
『宴を開かないでどうする!!!この喜びを分かち合わないでどうする!!!ってことでどうします、総隊長!」
「…少しは計画性を持て。結局僕頼りか」
『そんな事を言わずに!!!総隊長の采配、指示があってこその結果!』
「当たり前だ、誰が指揮を取ったと思っている」
『…あらやだ、あたしもエスパーになれるかも。エスパーの誕生だぁぁぁ!!!ぶっ!』
また赤司に叩かれた。だけど今回はさっきみたいに痛いものじゃなく、いつものだった。
「しかし皆部活があるだろう。全員集まるのは難しいと思うが」
『だからそこを何とかしてほしくて!王子の頭と権力があれば何とか出来るでしょ?』
「はぁ…分かった。今日は全員部活を7時に切り上げて教室集合だ。僕が注文するから暇な奴は準備に回ってくれ。全員参加でいいな」
『さすが王子!聞いたかお前ら!宴だぁぁぁぁ!!!!』
全員「よっしゃぁぁぁぁぁぁ!!!!」
和気藹藹する皆と一緒に盛り上がる。だけど教室の壁にもたれかかり、腕組みをして目を閉じている赤司の姿があった。
『王子?どうした?眠いの?』
「…駄犬か。眠いわけではない。少し考え事をしていただけだ」
『王子が?珍しいね。ほら、あたしに相談してみな?力になってやるからよ!キラッ☆』
「…自分でキラッとか言うな。それにお前に話しても解決しない。むしろ余計にややこしくなるだけだ」
『何だと!?それはあたしがバカだからって言いたいのか!?って…おっとっと。今日はめでたい席だからな。怒らないって決めたのさ!わー、ちゃんってば大人!!!!って…ツッコんでよ恥ずかしいじゃん』
「…僕もお前みたいにバカになりきれば楽なんだろうがな」
『え?褒めてるの?けなしてるの?どっちなの?』
どうやら赤司は本当にどうかしてしまったみたいだ。何も話さなくなってしまった赤司の隣に、同じように壁にもたれかかる。