第4章 猫王子と球技大会
赤司side
僕の隣にはいる。ずっと外を見ていた。を見てるとイライラする。だけどこうやって隣にいると何故か安心する。どうしてだろう。
「…」
『んー?』
「何でここにいるんだ?お前も混ざればいいだろう」
『何でって…あたしがいなくなったら、赤司はここでずっと1人で悩み続けるでしょ?別に頼ってくれなくてもいいから、1人で悩むなって伝えたくて。どう?伝わった?』
「…あぁ」
はニコリと笑って再び外を見る。その様子を僕は見た。1人じゃない、か。確かにキセキの世代の力が解放されてから、俺が僕になってから、僕は1人でいることが多くなった。だけどそれは間違っちゃいない。1人の方が楽だ。何も考えなくてすむから。自分の事だけですむから。
だけど今はどうだ。が隣にいて、僕はの事を考えている。イライラしたり、安心したりしている。こんなもの僕ではない。だけど、は僕の犬だ。僕が面倒を見なければならない。だから離れられない。
「!…そうか」
『お?何か分かったのかい?』
「あぁ。おかげで解決したよ、ポチ」
『ポチ!?まぁ駄犬より成長してるかな…』
隣でブツブツと呟いている。そのに対してイライラするのは、飼い主の目が届かない範囲で他の人とじゃれ合うから。犬は主人に忠実でなければならないのに、それを裏切られたイラつき。
奈央「なんでやねん!違うやろ!」
『うおっ!いきなりどうした奈央!』
…川崎は僕を見て言った。僕の心を読んでいるのか?だがこれが僕の答えだ。そして安心するのは僕に忠実で心配することはないから。
奈央「アホや…ホンマもんのアホがここにもおった…もうウチは知らん…アンタら勝手にしいや…」
『奈央?何があったかは知らないけど元気だして!!!ほら、飴ちゃんやるからよ!!!』
奈央「大阪のおばちゃんか…あかん、ツッコんでもうた…」
僕は悩みが解決し、すっきりとした。川崎を心配するは本当に犬に見えた。だから僕は頭を撫でてやった。すると川崎は、もうわけわからへん…ともっと憔悴した。
そして部活を終え打ち上げも終了。球技大会は幕を閉じた。