第4章 猫王子と球技大会
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『…はぁ…』
部員「何なんアンタ。来て早々溜息なんかつかんといてよ、うっとうしい」
『ぐぬぬ…ちゃん今傷心ぎみなんだよ…君のそのふくよかな胸で慰めてくれよ…』
部員「先輩ー、ここに変態がいるんでコブラツイストかけてもええですかー?」
『コブラ!?え!?出来んの!?』
先輩「ええでー」
『いいの!?ちょ、待っ!うぎゃあぁぁぁぁぁ!』
バレー部の友達にコブラツイストをかけられた。それはもう見事なまでに。そのまま床に置いてけぼりにされ、さっきの事を考える。
男子生徒「あのさ、!俺、お前の事好きなんや!俺と付き合ってくれへん!?」
『あ…その…あたしは友達だと思ってたから…その、ごめんなさい』
男子生徒「…ほうか。分かった、ありがとな!これからも友達としてよろしゅうな!」
友達、か。あたしは最初からそう思ってたっつーの。首を動かして周りを見る。そこには異性どうしのグループや、2ショットがたくさん見れた。その中の皆、友情以外の感情も持っているんだろうか。
『…って、悩むな悩むな!全身全力あるのみ!!!わーっはっはっは!』
「…何やってるんだ、駄犬」
『あ、王子だー。何って…体育館の中心で愛を叫ぶ?』
「ここは体育館の中心じゃなくて隅だ」
『あ、本当だー。失敗失敗』
「…愛について悩んでるのか?」
『あー…まぁね。でも今さっき解決したんだなこれが!やっぱあたしにはウダウダ考えるより直感で行動しtいだっ!』
何故か赤司に頭を叩かれた。今までで1番強かった。ていうか冗談抜きで痛い。
『いってぇぇぇ!何すんだよばか赤司!今あたし何もしてないだろ!?』
「…ムカつく、叩く。以上」
『はぁぁぁ!?意味分かんない!何で単語レベルなんだよ!キーっ!ムカつくぅぅぅぅ!!!』
赤司はそのままあたしを置いて行ってしまった。その時、いつもはしないような行動をしていた。あの赤司が、あの王子が、頭をボリボリと掻いたのだ。
『れ、レアだ…』