第19章 猫王子と誕生日
side
『赤司、誕生日おめでとう』
「…ありがとう、大事にするよ」
『当たり前だっつーの!コレ大事にしなかったらさすがに怒るからな!もう口もきかねーかも』
「はははっ、分かってるよ。僕がからの贈り物を大事にしないわけがない」
良かった、赤司嬉しそう。どうしても赤司の喜ぶ顔が見たかった。赤司はこだわりとか無いと思っていたけど、あの時計を見せた時、いつもの大人びた表情ではなく、あの優しい顔を見せたのだ。
だからどうしても、あの時計が良かった。気に入ってくれたのが分かり、あたしの心もホクホクとしている。
そして気付いてしまった。
あたしは赤司の事が、
好きなんだって。