第19章 猫王子と誕生日
そして終業式も終わり、部活もあっという間に終わった。今の季節はバレー部は大きい大会は無い。俗に言うオフの期間だった。
はゆる「、誕生日おめでとう!」
『さんきゅー!』
はゆる「これプレゼントな!ほんでな、今日これから誕生日パーティ開こうっていう話が出てるんやけど、用事とかある?」
『え…ごめん、はゆる。せっかくだけど、今日は予定が…』
はゆる「やっぱりな。赤司君やろ」
『っ!?何で!?』
はゆる「赤司君、今日誕生日やんか。めでたい事に2人一緒」
『ちょ、はゆたん知ってたの!?何で教えてくれないんだよ~』
はゆる「だって聞かへんかったやん」
『やっぱりか!聞かないと教えてくれないんかアンタらは!』
奈央にしてもはゆるにしても、どうして教えてくれないのか…まぁ、聞かないあたしが悪いんだけども。
はゆる「そのままくっついてしまいー。見とってイライラするわ、アンタら」
『は!?くっつく!?何が何と!?』
はゆる「アンタと赤司君」
『何で!?』
はゆる「何でって…好きなんやろ?赤司君の事」
『だーかぁらぁぁぁぁ!!!好きじゃnっ…』
好きじゃない。いつもなら言えてた言葉が言えなかった。赤司の、あの優しい顔が頭の中に浮かんでくる。もしかしてあたし、赤司の事、好きなのかな。
はゆる「…すまん、いらん事言うたみたいやわ。ま、はらしく頑張りや。2人のペースは2人で決めたらええ」
はゆるはあたしの頭をポンポンと叩いて帰った。暫く思考停止していたあたしは、ふと体育館の時計を見て約束の時間まであと少ししかない事に気付き、慌てて体育館を後にした。