第17章 猫王子と訪問者
赤司side
「違うよ、ちゃん。赤司君が言ったんじゃなくて、青峰君が気付いちゃっただけだよ。赤司君涙目だから、許してあげて?」
『うんもう許す♡こんな可愛い子にそんな可愛くお願いされたらちゃん何でも聞いちゃう♡…チッ、命拾いしたな赤司』
「…お前数か月の間に何でこんなに嫌われてるんだよ」
「…嫌われてなどいない」
とは言いつつも、心はズタボロだった。
『まぁいいや。じゃあね、青峰、桃井さん。京都は良い所だからゆっくり楽しんでよ』
「は?お前帰んの?」
『元々来るつもりなんて無かったし、そこのバカ王子に無理やり連行されただけだから。…まぁ理由は何となく分かるけど』
「だったら…」
『分かるけど、あたしは今そういう気分じゃない。…ごめん』
は1人でひょこひょこ歩いて行った。僕達は誰1人として動けなかった。今のは、誰も寄せ付けようとしない。
「赤司、いいのか?」
「良いも何も、僕は…」
「アイツ足やってんだろ。どうにも元気もなかったみてーだし。お前はに元気になってほしくて呼んだんじゃねーの?」
「だが、こればかりは無理に引き留めても意味がない。の気持ちの問題だからな」
「おかしいよ!!!」
「…桃井?」
「こんなのおかしいよ!赤司君はちゃんに元気になってほしいから誘って、無理にでも連れてきたんでしょ!?だったら何で追いかけないの!?」
「…」
「だったらもういいよ!…私がいく」
「ちょ、オイさつき!」
桃井はもう小さくなってしまったの背中を目指して走り出した。僕と青峰は顔を見合わせ、慌てたように桃井を追いかけた。