第17章 猫王子と訪問者
「京都旅行だ」
『京都旅行?何で』
「さつきの両親と俺の両親が京都に行きたいって言い出してよ。んでせっかくだから赤司に案内してもらおうぜってさつきが言うからよ、頼んだんだ。そしたらも来た。そんなトコだ」
『そんなトコじゃねーよ!結局赤司のせいかよ…で、青峰君や』
「なんだよ」
『そんな可愛い彼女いたなら紹介してくれませんかね』
「は?彼女って誰」
『は?だから、そのピンクの美人なボインの女の子』
「さつきの事か?さつきは彼女じゃねーよ。ただの幼馴染だ」
『またまたぁ!そんな照れんなって!』
「照れてねーよ、事実だし。つーかこんなブス、俺がお断わりだっつーの」
『ふざけんなぁぁぁ!!!おまっ、ふざけんなぁぁぁ!!!贅沢すぎんだろコノヤロー!つーかこんな美人さんをブスって…お前どういう眼してんだ!解剖してやろうか!?』
「お前…」
「あの…」
青峰の胸倉を掴みがくがくと揺らす。…が、揺らしたくても体重をかけると痛むため、ただ服が数センチずれるだけだ。
それに気付いたのか、青峰が何かを言おうとしたのと桃色の美人さんが話しかけてきたのは一緒だった。
「あの、さんだよね?私、桃井さつき!青峰君の幼馴染で、ちゃんの事は青峰君からよく聞いてるよ!すっごく面白くて変人だって!」
『…オイ青峰、お前桃井さんに何て言ったんだよ。返事によっては生きて帰れると思うな』
「知るか」
「あの赤司君が好きになる女の子ってどういう子なんだろうって凄く楽しみにしてたんだ!会えて嬉しい!」
『は!?何で知ってんの!?オイ赤司!てめぇ青峰に言ったのか!?』
「僕h」
『喋るんじゃねぇクズ赤司ィィィ!!!』
「…」
「ぎゃははははっ!!すげー理不尽!つかあの赤司が何も言えねぇくらいショック受けてやがる!!」
ふんっ。赤司がいじけようが関係ないもんね。赤司が悪いんだから。…睨んできてもこ、怖くないもんね!(震え声)