第17章 猫王子と訪問者
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『おいクソ赤司!降ろせよ!』
「暴れるな。もうすぐ着く」
『だから誰も行くなんて言ってねぇだろ!?』
「だから暴れるなと言っている。もし落下して怪我が悪化したらどうするんだ」
『ぐっ…』
もうあんな思いは十分だ。…目の前で見ているだけの悔しさなんて、もう十分だ。
「あ、赤司くん!…赤司君!?」
「うっせーよさつきィ。そりゃ赤司を呼んだんだからいるに決まってるだろ」
「だ、だってあれ!!!」
「すまない、待たせたね」
『…は?』
「あ?んだよ、じゃねーか。それよりもしかしてお前らやっと付き合ったのか?お姫様だっこって言うんだろ、それ」
「だ、大ちゃん!もしかしてこの女の子が赤司君の!?」
『ちょっと待て。いろいろツッコみたいんだけど、その前に降ろせよ赤司』
赤司は小さく舌打ちをした後にようやくあたしを降ろしてくれた。つか何で舌打ちされなきゃなんねーだよ!!!
降ろしてもらい足を着地させた時、右足に痛みが走った。
『っ…』
「?オイ、怪我してんのか?」
『あー、大丈夫大丈夫。何でもないから。で、何で青峰が京都にいるわけ?そして何であたしは連れて来られたわけ?その隣にいる超絶美人さんは誰?あ、青峰の彼女って言った瞬間顔面パンチな』
「、そう怒るな」
『赤司は黙ってろ。つーか話しかけんなクズ』
「クズ…僕が、クズ…」
「あ、赤司くんんんんんんん!!!!」
「はははっ!!相変わらずおもしれーな、は!」
赤司がショックを受けたみたいだけど、知るもんか!赤司が悪いんだからな、今回は。